伍子胥について 後半生

あともうちょっとのところで楚を滅ぼすことができたのに
それを邪魔した越の国に対する呉王闔閭の怒りは大きく呉と越は戦争状態となった
越は范蠡の奇策によって呉を大敗させ、闔閭に矢傷を負わせた
闔閭はこの矢傷が悪化し跡継ぎを誰にするか伍子胥に相談する
伍子胥は太子であった夫差を推薦するが、闔閭は夫差がその器ではないことを見抜いていたので一度は伍子胥の意見を却下したが
呉の国の王位継承順の複雑さが元に戻ったことを示すためにもと伍子胥が説得し
闔閭は夫差を跡継ぎに指名して帰国の途中で死んでしまった
呉王となった夫差は伍子胥が説得してくれたことに感謝し、呉の国の半分を謙譲しようとしたが伍子胥は受け取らなかった
呉王夫差伍子胥の意見を良く聞き、毎日薪の上で寝ることで父の仇討ちを思い出し、呉の国を強国にした
そしてまた呉は越と戦い、呉は越王勾践を会稽山に追い詰め、ついに勾践は降服する代わりに助命を申し出てきたので夫差は助命しようとした
それを聞いて伍子胥は勾践を殺して越を滅ぼし呉の領土とすることを進言したのだが、夫差は勾践が出した助命の条件に満足し、奴隷とすることで許してしまった
勾践は3年間、呉の国で馬飼いの奴隷をした後、呉へ忠誠を誓うことで越への帰国を許される
勾践は呉への復讐を忘れないために毎日肝を嘗めて農民たちと共に鋤鍬を持って働き富国強兵に励み、虎視眈々と呉への侵攻の機会を伺っていた(この夫差と勾践の故事を「臥薪嘗胆」)
伍子胥は越の国は呉にとって内腑の毒と言って越討伐を進言したが、夫差は中央侵出を目指して遠征を繰り返し、国力を疲弊させていく
越にとって怖いのは伍子胥だけとなり、越は夫差に絶世の美女の西施を贈ることで越への敵対心をなくさせ、西施に伍子胥の讒言をするように命じたのであった
伍子胥は自分が呉の国をここまでの大国にしたという自負があり、その態度と歯に絹を着せない物言いを夫差は気に入らず、愛する西施の讒言もあり伍子胥の意見を聞かなくなってしまった
伍子胥は呉の滅亡を予見し、自分の子供が呉の滅亡の際に殺されないように斉の国へ行かせたのだがこれが夫差の不信を買うこととなり、夫差の命令で自害させられたのであった
その際に伍子胥は「私が死んだら東南の門に私の首を掛けよ!私の目で越の軍がこの城に入るのを見届けてやる!そして私の墓に梓の木を植えよ!この木で夫差の棺にしてやろう!」と言った
これが夫差の逆鱗に触れ、伍子胥は墓を作ってもらえないどころか、死体を馬の皮袋に入れられて川に捨てられてしまった
伍子胥さえいなくなれば越に怖いものはなく、越は呉に奇襲をかけて敗退させ、越軍は伍子胥が言ったように呉の首都の東南の門から入城して占領した
夫差はなんとか逃亡したが、呉の国の滅亡を避けることが叶わないとわかり「わしが死んだら3枚の厚い麻布で目を覆ってくれ。あの世で伍子胥に目を合わせることができようか」と言って自害した


私の好きな歴史上の人物「伍子胥」のお話でした
次に書くときは誰にしようかな〜